Chapter 02
ブランディングパラダイム
Branding Paradigm

無印良品

Muji

Pictures from WorldBranding

日本最大の流通グループの一つであった西武(西友)のストアブランドであった「無印良品」は、国内でのチェーン展開によって急激に拡大しながらも、2000年に在庫問題で経営危機に陥った。良品計画は、外部専門委員会を設置し、ブランドの根本的なところから見直し、「これでいい」というモノのある生活そのものの考え方を提案するブランドとして、商品を始め、あらゆるタッチポイントをリニューアルし、ブランドの復活に成功した。

a.

Rebranding of Muji

無印良品の歴史

無印良品は1980年、西友のプライベートブランド(PB)としてスタートした。当初はしょう油やコーヒー、洗剤や歯ブラシなど40品目。専用のコーナーは設けられず、各品目の棚に他メーカの商品と並んで陳列されていた。しかし、1983年に初の直営店として青山に1号店を出店すると同時に爆発的な支持を受けるようになる。「何もない」ことを追求したそぎ落とされたデザイン群。それらが集まって一つの店舗となったとき、ある種の美しさをアピールし、消費者に時代の半歩先を示すことが可能になった。

デビュー40品目写真

その後、1989年に(株)良品計画となって独立し、1991年には海外にも出店。2006年2月末現在、直営店と商品供給を合わせた店舗数は国内が298店舗、海外は51店舗、商品点数は約7,000点にも上る。世界でも類を見ない幅広い品揃えと、生活提案にまで踏み込む独自のデザイン。ノーブランドとして始まり現在もその立場を崩さない無印良品だが、消費者側からの視点では、立派な人気ブランドの一つといえるだろう。

無印良品の誕生時コンセプト「わけあって、安い。」

無印良品が生まれる前、1960年代後半からスーパーマーケットはこぞってPBの開発にしのぎを削っていた。最初に売り出されたのは、「大きな利幅を狙う」という企業側の論理に立って企画された商品であった。しかし、主婦の意見を聞くためのモニター会議で缶詰のマッシュルームの無駄を指摘されたことをきっかけに、消費者の論理や視点に立った「本当の意味での生活者のためのブランドを作ろう」という意図が生まれた。こうして誕生したのが、無印良品である。

創設当時、無印良品のメインコピーは「わけあって、安い。」だった。その「わけ」というのは、素材を見直し、生産工程の手間を省き、包装を簡略化したことを指す。同等のクオリティのものに比べていかに安く作るかという目的のため、「無駄をそぎ落として本来の機能を追求する」ことで低価格を実現していった。ノーブランド商品には「安かろう悪かろう」のイメージがついて回った時代に、あえて「無印」を名乗り、その代わりに下に「良品」という言葉をつける。カタカナが氾濫している時代に、あえて漢字を使う。日本中がバブルに浮かれていた時代に、環境に配慮した商品や包装を提案する。これらの明確な姿勢と訴求性の高いデザインが支持され、無印良品は大衆に受け入られたのである。

リ・ブランディングの背景

初出店以来、時代の追い風もあって右肩上がりの快進撃を続けた無印良品。バブルの時代にもてはやされた商品とは性格を異にしていたので、90年代以降の日本経済低迷の影響は受けなかったものの、2001年度に急激に業績が悪化する。安さを売り物にした衣料品店や100円ショップなどが登場し、低価格を重視する消費者が離れていったのが大きな要因であった。誕生から約20年経ち、変化する時代の中で、無印良品にもひずみと言えるようなものが生まれていた。これまでの在り方を、改めて振り返るべき時が来ていた。

経営改革の推進とその後の復活

低迷を脱するには、まず経営システムの根本的な見直しが必至だった。一言で言うと「文化や感性だけに頼らない経営」への転換である。過去の経験から生み出した精緻な理論を最大限に利用し、経費削減を進める―たとえば収益力の悪い店舗は閉鎖し、新規出店は独自の出店基準により決定する、在庫管理や店舗作業でも適正なルールや仕組み作りを進めるなど。明確なロジックに基づき、徹底的に合理化を追求する体制を整えていった。

このような業務改革を進め、商品についても、より完成度を高めて商品力を強化した結果、(株)良品計画は2005年度に過去最高益を達成。一時の低迷を脱して、鮮やかな復活を遂げたのである。

無印良品 青山(1号店)
1998年~2006年売上高と利益の推移
2004、2005年度の実績は業績予想値(点線)を大きく上回った。

無印良品の歴史

無印良品の誕生から25年以上が経ち、誕生当時は40品目だったアイテムは現在7,000アイテム以上を数えるまでに成長している。

  • 1980
    純正はちみつ
    純正はちみつ
    再生紙詰替用ティッシュ
    再生紙詰替用ティッシュ
  • 1981
    バニラアイスバー
    バニラアイスバー
    ノンサポートタイプ
    ストッキング 10足組
    ノンサポートタイプストッキング 10足組
  • 1982
    クラフトノート
    クラフトノート
    22型自転車
    22型自転車
  • 1983
    紙管ラック
    紙管ラック
    U字型スパゲティ
    U字型スパゲティ
  • 1984
    三輪車
    三輪車
    ベージュ食器
    ベージュ食器
  • 1986
    カシミヤセーター
    カシミヤセーター
  • 1989
    アルミカードケース
    アルミカードケース
    アルミアームライト
    アルミアームライト
  • 1991
    脚付マットレス
    脚付マットレス
  • 1995
    家電
    家電
  • 1998
    SUS(スチール・ユニット・シェルフ)
    家電
  • 1999
    アイパウダー
    アイパウダー
    子供用紙管家具
    子供用紙管家具
    ベビー無印
    ベビー無印
  • 2000
    ベビーカー
    ベビーカー
    DVDプレーヤ
    DVDプレーヤ
  • 2001
    MUJI+CAR1000
    MUJI+CAR1000
    持ち運びできるあかり
    持ち運びできるあかり
    電気冷蔵庫
    電気冷蔵庫
  • 2002
    土鍋おこげ
    土鍋おこげ
    シリコン製氷皿
    シリコン製氷皿
  • 2004
    オイルヒーター
    オイルヒーター
    ランドセル
    ランドセル
  • 2005
    防災セット
    防災セット
    ふっくら成型ソファー
    ふっくら成型ソファー
b.

Core Value »This’ll Do Nicely«

自信に満ちた「これでいい」

「わけあって、安い。」―無印良品のスタートは、このコピーに象徴される合理的なシンプルさに基づいていた。しかし、時代とともにこの意味合いが「豊かな低コスト、賢い低価格」に変化していったように、リ・ブランディングに際して新たなコア・バリュー=核となる考え方を導き出す必要があった。 そこで生まれたのが、「これがいい」ではなく「これでいい」という発想である。消費者が「これがいい」と思って選ぶスーパーブランドほどではないにしても、「これで十分にいい」と納得できる商品という意味である。「で」には多少の妥協が含まれるかもしれない。しかし、「で」のレベルを上げることによって満足感を高め、自信に満ちた「これでいい」を実現する。それこそ、改革を目指す無印良品の新しいビジョンにふさわしいものであった。これに従って、約7,000アイテムにのぼる商品を徹底的に磨き直し、新しい無印良品を実現していった。

デザインしない「究極のデザイン」

90年代中頃から、消費者の意識は、はっきりと二極化していった。一つは斬新なデザインの高価なブランドを求める方向、もう一つは極限まで安いものを求める方向である。無印良品はそのどちらでもなかった。生産プロセスやデザインの簡略化で支持された無印良品だったが、ただ省略しただけでは魅力的な商品を生み出すのには限界があった。商品の魅力低下による割引販売の増加も、業績悪化の一因となっていた。もっとひとつ一つのものの本質を探り、触れるだけで生活意識が鼓舞されるような創造的な省略こそが求められているのではないか。「省略」というよりも、むしろデザインしないデザイン、つまり「究極のデザイン」とでも呼ぶべきもの。それこそが、無印良品が辿り着いた答えであった。

Brand Promotion Advertising Presentation Symbolising Brand Concept

リ・ブランディング後の広告

2002年にアートディレクターが原研哉氏に引き継がれて以降、無印良品の広告は以前より一層ミニマムなイメージで、考え方を表現したものになった。無駄を徹底して省略したシンプルな商品群たちをノーデザインと考えず、完成度を磨いた究極のデザインと考える。誕生25年を経た無印良品の新たな姿勢を最も顕著に表明しているのが、2003年から年始に掲載されている新聞広告である。

2003年新聞広告「無印良品の未来」

第一弾のビジュアルのテーマは「地平線」。ボリビアのウユニ塩湖とモンゴルの平原で撮影した映像を使用し、何もないけれど全てがあるというメッセージが託されている。しかしそれは、原氏曰く「発信されたメッセージであるというよりも、受け手の無印良品に対する思いやイメージを受け入れる器としての広告」である。写真の他には、キャッチフレーズでありシンボルマークでもある無印良品のロゴタイプを入れただけ。簡潔な表現の中に、日常の本質を静かに見つめる無印良品の視点が込められている。

2003年新聞広告 「無印良品の未来」

2003年新聞広告 「無印良品の未来」

2004年新聞広告「無印良品の家」

2004年からは、「家」をテーマに広告を展開している。7,000品目にのぼる無印良品の製品を集積すると、そこにはおのずと「住まいの形」が見えてくる。衣料・生活・食品などの多様なアイテムを合理的に編集することで、無印良品は「住まい」となる。広告ではアフリカの風土が生み出した素朴な家をビジュアルに選び、今回もキャッチフレーズは「無印良品 家」と入れただけ。いかによりよく住まうか。住宅プロジェクトの本格的な始動と併せて、この基本的な問いへの思索を促している。

2004年新聞広告「無印良品の家」

2004年新聞広告「無印良品の家」

2005年新聞広告「茶室と無印良品」

無印良品の簡素なデザインが生まれた背景には、日本古来の侘び寂びの精神が息づいている。年始広告の第3弾。日本の美意識の源流ともいえる茶室を素材にしたコラボレーションである。写真は戦乱の世に疲れ後半生は茶の湯の世界にいそしんだ足利義政の別荘、国宝慈照寺「同仁斎」。茶室の源流であり、今日言われる「和室」のはじまりとなった空間である。凛と張りつめた空気の真ん中に、ぽつんと置かれた無印良品の白磁の茶碗。これを、シンプルさゆえに無限の可能性を発揮でき得るひとつの「見立て」と表現する。「あらゆる食卓への対応を考慮した果ての簡潔さを体現」しているという。確かに、障子の格子や畳の縁などで構成されるそぎ落とされた美は、無印良品の思想とも相通じるものがある。光と陰を強調するモノクローム写真が効果的。

2005年新聞広告「茶室と無印良品」

2005年新聞広告「茶室と無印良品」

2006年新聞広告「しぜんとこうなりました」

2006年版の広告は、初めて商品に重点を置いたものになった。背もたれの角度と使用している素材が同じベッドと椅子。最も心地の良い背もたれの角度、そして家具に最も適した素材を探って行くうちに、「しぜんとこうなりました」。人々の暮らしを見つめ、その暮らしがもう少し心地よく楽しくなるための工夫をデザインしたのが無印良品の商品である。そして、これらを実際の生活の中で並べて置いたとき、さりげない呼応が調和を生み出す。無印良品の商品は、いくつかを組み合わせても違和感なくすんなり馴染んでくれる。多様なデザインがあふれる現代では、とても貴重でかつ大切なことである。そのほかに、自分だけの印のつけられる傘、Tシャツを干すときに首回りが伸びないようくぼみをつけたハンガーなど。使い手が無意識に望んでいることをカタチにすると「しぜんとこうなりました」という商品が、日々続々と生まれている。そんな無印良品の商品の特性を最も生かした形でシンプルに紹介する広告は、人々を魅了し無印良品のデザインへ共感、理解を促している。

2006年新聞広告「しぜんとこうなりました」

2006年新聞広告「しぜんとこうなりました」
c.

Product Evolution

現在無印良品の品目は衣料・日用品から住宅まで多岐に渡り、その数は約7,000点。「わけあって、安い。」を原点とする姿勢は25年経った現在も揺るぐことなく、シンプルで低価格の商品群を通して生活の中の「基本」と「普遍」を提案し続けている。

ステーショナリー

色鉛筆
色鉛筆
カードケース
カードケース
計算機
計算機
テープカッター
テープカッター
CDホルダー
CDホルダー

ヘルス&ビューティー

スキンケア
スキンケア
石けん
石けん
ヘアケア
ヘアケアヘアケア
ヘアブラシ
ヘアブラシ
リラクゼーション
リラクゼーションリラクゼーション

食品

飲料
飲料飲料
レトルト食品
レトルト食品レトルト食品
お菓子
お菓子

衣料品

メンズウェア
メンズウェア
レディスウェア
レディスウェア
インナー・ホームウェア
インナー・ホームウェア
子供服・マタニティウェア
子供服・マタニティウェア

キッチン・食器

ボーンチャイナ
ボーンチャイナ
料理器具
料理器具
ビ−ルタンブラー
ビ−ルタンブラー
キッチン・食器

ファニチャー

机
ペンダントライト
ペンダントライト
ライト
ライト
ソファ
ソファ
ファニチャー

家電

壁掛式CDプレーヤー
壁掛式CDプレーヤー
電話
電話
コーヒーメーカー
コーヒーメーカー
ジャー炊飯器
ジャー炊飯器
掃除機
掃除機
洗濯機
洗濯機

無印良品の新しいコアバリューである「究極のデザイン」は、シンプルであるが故により高度なデザインが要求されるという考え方。その延長として、「World MUJI」や「Found MUJI」などの新たなシリーズが生み出された。

World MUJI

World MUJIとは、無印良品が日本以外の国で生まれていたらどのような商品が誕生していたのかという仮定をもとに、世界の才能(プロダクトデザイナー)とゼロから商品開発に取り組み、新しい無印良品の思想、考え方を示すことができる商品を作り出す活動のこと。イタリアデザイン界の巨匠、エンツォ・マーリ氏らも参加。

ブナ材ローテーブル・正方形/ガラス天板
ブナ材ローテーブル・正方形/ガラス天板
スチールフレームチェア・板座
スチールフレームチェア・板座
電話機
電話機

Found MUJI

無印良品では、ゼロから商品を開発するばかりでなく、世界中の日用品から学んだアイデアをものづくりに反映している。無印良品が参考にするのは、その地域で取れる素材の特性・機能を最大限に利用したものなど、長い時間をかけて完成された普遍的な定番商品。この考え方をもとに見つけられたものを無印良品のフィルターを通して紹介する活動が「Found MUJI」である。

Found MUJI

iFデザイン賞受賞商品

2005年、世界的なデザイン賞であるドイツのiFデザイン賞に9品目が入賞した。うち5品目が金賞を受賞。日本だけでなく世界のデザイン界でも、トップレベルの商品を生み出していることが認められた。

CDラジカセ
CDラジカセ
電話機
電話機
シュレッダー
シュレッダー
DVDプレーヤー
DVDプレーヤー
角紙管ラック
角紙管ラック

無印良品の家

無印良品の商品を「編集」していくと、最終的には暮らし=家に行き着く―という考えから、2004年に無印良品のコンセプトを生かした新しい住空間事業「MUJI+INFILL 木の家」を開始した。これは、住む人のライフステージや家族構成の変化に応じて自由に間取りを「編集」できる新しい住まい(空間)。内部は開放的な吹き抜けを持った箱形の一室空間とし、SE構法を採用して木造でありながら強度の高い住宅を実現している。第1号店として有楽町店屋内にモデルルームを開設し、現在全国的に展開しつつある。

無印良品の家
無印良品の家
無印良品の家
無印良品の家
d.

Package Design System

ビジュアル・コンセプト

シンボルカラーともいえる赤とクラフト色の組み合わせ。きれいなものを良しとしていた日本のデザイン界において、1980年に登場した無印良品のタグはとても斬新で、一目見ると忘れられない衝撃的なものだった。特に、ベースとなったクラフト色は「ものの本来の色や形を大切にしたいから紙の原料であるパルプも漂白せずに商品化する」というメッセージを伝えるためにこだわった色。日本を代表するデザイナー、田中一光氏による提案だった。マイナー修正はあったものの、発売後25年を経ても少しも古さを感じさせない。まさに、基本姿勢を象徴的に表す“無印良品の顔”であるといえる。

タグのシステム

無印良品では地球の資源を無駄にせずごみの減量化を促すため、過剰な包装はしていない。多くの商品は、成り立ちについての説明が書かれたタグが付けられただけ、もしくは最低限のパッケージにあっさりと包まれただけの状態で店頭に並んでいる。リ・ブランディングと関連して、2002年にはラベルのレイアウトルールを一新。より無駄のないシステムを追求している。

パッケージ・デザインシステム
パッケージ・デザインシステム
パッケージ・デザインシステム
パッケージ・デザインシステム
パッケージ・デザインシステム
e.

Business Development

国内店舗

2006年2月末現在、直営店と商品供給を合わせた店舗数は約298店舗、今後は年に20店ずつ新店舗を開店していく予定。平均売り場面積は1,000平方メートルの水準で維持していくが、3,300平方メートル級の店舗もいくつかある。その一つ、有楽町店には「Meal MUJI」、「無印良品のめがね」、「花良品」、「無印良品 木の家」 などがあり、現在の無印良品のすべての業態が一度に見られる旗艦店である。ほかには仕様変更商品や旧年の季節商品などを低価格で提供する「ファクトリーアウトレット」が全国に3店舗ある。また、駅の構内で東日本キヨスクが展開している「無印良品comKIOSK」や全国にあるコンビニエンスストアのファミリーマートでのコーナー展開、年々売り上げを増やしているネット販売事業など、店舗がない地域でも無印良品の商品を購入できるようにきめ細かい販売チャネルを用意している。

国内店舗
国内店舗

カフェ・ミール事業

2001年から始まったカフェ・ミール事業は、現在「Cafe MUJI 」と「Meal MUJI」が各3店舗ずつ、計6店舗が運営されている。コンセプトは粗食ならぬ「素食」。有機野菜や契約農家から取り寄せた大豆など食材にとことんこだわり、素材自体のおいしさを最大限に生かしたヘルシー・メニューを提供している。無印良品の思想を反映しているためセルフサービスシステムだが、味・ボリュームの割にリーズナブルな価格が好評で、今後も少しずつ店舗を増やしていく予定。

無印良品 有楽町「Meal MUJI」

無印良品 有楽町「Meal MUJI」

フラワー事業

フラワー事業は1996年に「花良(ハナヨシ)」というブランド名で八王子店からスタートした。その後、2001年に(株)花良品を設立。産地直送システムを採用し、鮮度保証(一部のみ)や交換・返金制度など、随所に無印良品らしい消費者への配慮がみられる。現在は有楽町店をはじめとして15店舗に広がっている。

花良品

花良品 有楽町

無印良品 有楽町「Meal MUJI」

メガネ事業

生活者のメガネに対する不満点(価格の不明瞭さ等)が非常に多いことから、無印良品として価格の分かりやすさを追求し、またパーツの共有化による自分好みの組み合わせ(カスタマイズ)と、パーツ交換により長く利用できる(サステナブル)という、これまでのメガネ店に無い独自の切り口で好評を得ている。2002年に有楽町店と難波店でスタート。フレームやテンプル、また色や素材を自由に組み合わせて約40,000通りから自分だけのオリジナルめがねがつくれる。価格は10,000円からとリーズナブルなところもリピーターを生んでいる。

無印良品のめがね

無印良品 有楽町「Meal MUJI」

Online Strategy and Internet Sales Business

オンライン戦略

無印良品のホームページはWebから入ってきた消費者との最初の接点。会社の沿革から始まり広告プロモーションの背景まで載せることで、無印良品への理解を深めてもらう場と捉えている。一方、ネット販売事業はインターネットの広がりとともに順調に売上額を増やしている。2005年度は前年比43%増を記録し、既に最大店舗である有楽町店を越えている。これは、時代背景に加えて日本全国店舗のない地域からでも購入できる利便性や24時間アクセス可能なコミュニケーション・ツールであること、またメンバー限定の特典なども功を奏していると思われる。経営的にも効率がよく、メンバー登録数も年々増加しており、今後大きな柱となるチャネルとして位置づけられている。

無印良品のホームページ

無印良品のホームページ

無印良品からのメッセージ

無印良品からのメッセージ

無印良品ネットストア売上推移

無印良品ネットストア売上推移

ネット販売事業

ネットストア

2000年9月にスタートしたネット通販事業、ネットストアだが、現在は取扱品目を5,500品目に拡大。きめ細かく情報を流し、会員には無料配送の特典を付けるなどの配慮で着実にリピーターを増やしている。

ネットストア

ネットコミュニティー

無印良品は当初から消費者の声をカタチにしてきたユーザー・フレンドリーな会社である。ネット上でもそれを受け継ぎ、顧客の要望やアンケートを参考に、コミュニケーションを図りながら企画や改良をした商品を開発している。その中から、爆発的な売れ行きを示した「体にフィットするソファ」などのヒット商品も生まれている。

体にフィットするソファ
体にフィットするソファ体にフィットするソファ
リクライニングソファ
リクライニングソファ
持ち運びできるあかり
持ち運びできるあかり
スキンケア
スキンケア
ジャスミン茶
ジャスミン茶
リラクゼーショングッズ
リラクゼーショングッズリラクゼーショングッズリラクゼーショングッズ
エプロン
エプロン

Overseas Business

海外店舗

1991年に「MUJI」としてロンドンに出店以来、イギリスの17店舗を始めフランス、イタリア、ドイツ、スペイン、香港、台湾、韓国、中国など、世界13カ国に約51店舗を出店している。(2006年2月末)

日本では無印良品は「シンプル」と受け取られているが、海外では「革新的」「新鮮で誠実」などと評され、デザイナーなどクリエイター層を中心に好印象で迎えられている。商品については特にヨーロッパにおいて日本と別展開のものが多く、衣料品は日本よりカラフルにするなど現地に合わせて色やデザインを企画し、生活雑貨も現地規格に即したものになっている。また今のところ、食品はアジアでしか取り扱っていない。将来的には年に15店舗ずつ開店を進め、売上高における海外比率を10%にまで増やしていく方針。無印良品は今や日本だけではなく、グローバルに認知されているブランドと言えるだろう。

イギリスの店舗

イギリスの店舗

香港の店舗

香港の店舗

台湾の店舗

台湾の店舗

MoMAデザインストアにインショップ展開

2002年には、世界各国のすぐれたデザインの製品だけを集めているニューヨークの近代美術館(MoMA)に商品供給を開始。2004年10月にはSOHO、翌年10月には53丁目と、それぞれのデザインストアにインショップ形式に売場を拡大。(アメリカで無印良品が買える店として、いつも賑わっている)ちなみに、一番人気はアルミの名刺入れだという。

MoMA53丁目店のMUJIのウインドー
MoMA53丁目店のMUJIのウインドー。1つのウィンドーを1つのブランドが飾るのは、MUJIが初めて。

MoMAデザインストアでのインショップ。他とは売場が仕切られ、完全にMUJIの世界が作り出されている。

MoMAデザインストアでのインショップ
MoMAデザインストアでのインショップ

Action on Nature and The Environment

キャンプ場の運営

事の発端は、1987年。当時は、空前のアウトドアブーム。華美で便利な施設や道具が注目される中、無印良品は、本当に必要なものだけを工夫し知恵を使って自然と親しむ「キャンプ」こそ、本当のキャンプだと考えた。そこで、同様の考えのもとでキャンプを楽しむ人々を応援しようと「無印良品サマーキャンプ」を開始。参加者も年々増え続け、全員がゆったりと過ごせる場所を探していたとき、豊かな自然と文化が共存する町・津南(新潟県)と出会う。それがキャンプ場をつくるきっかけとなり1995年に初めてのキャンプ場がオープン。現在までに南乗鞍(岐阜県)、嬬恋(群馬県)の合計3ヶ所がある。無印良品らしく、なるべく自然の起伏を生かして手を加えていない。テントなどのキャンプ用品はレンタル可、フィッシングやカヤックなどのプログラムも充実しており、手ぶらで行っても気楽に楽しめる。会員登録メンバーは80,000名。“何もないが、自然だけは豊かです。”大自然の中、思い思いの過ごし方で無印良品キャンプ場が楽しめる。

無印良品津南キャンプ場

無印良品津南キャンプ場
無印良品津南キャンプ場
無印良品津南キャンプ場

Action on Nature and The Environment

環境商品としての無印良品

無印良品は、そのコンセプトに従ってシンプルで自分の生き方やパーソナリティを引き出すようなアイテムを生み出してきた。その前提の一つに、自然や環境とともに持続的に生きるということがある。そのために、当初より無印良品の商品開発と生産の根底には、

  1. 素材の選択=様々な理由ではじかれた素材も活かすということ。
  2. 工程の見直し=できるだけ工数を減らし簡略化すること。
  3. 包装の簡略化=できるだけパッケージの無駄を省くこと。

という3つのポリシーが貫かれてきた。

環境に関わるEXFORMATION(問いかけ)

良品計画では、環境や社会に対する考え方を自らのWebサイトで明確に情報を投げかけ、店頭でのコミュニケーション、出版活動を通して積極的に顧客や社会に発信してきた。店頭では、レジ袋を持つのではなく、マイバッグの携帯をプロモーションするために、オリジナルの布製バッグを安価で発売している。また、出版活動では、モノと人との関係を問いかけた絵本などを編集出版し、無印良品の姿勢を出版文化の形成というかたちで、ごく自然に投げかけている。これらの手法は、ただINFORMATION=情報を押し付けるのではなく、むしろ、人々に問いかけ、知らなかったことに気付いてもらうという、EXFORMATIONという姿勢に基づいている。

それらの原則になっているのが、「地球とともに生きる5原則」である。

  1. 全ての活動において国内外法令を遵守します。
  2. 人体や環境に深刻な影響をもたらすと懸念される物質については使用制限を定め、使用する場合は情報を公開します。
  3. 天然の素材についてはトレーザビリティの実施に努めます。
  4. モジュール統一、分別可能、包装簡略化などを取り入れ、廃棄物の削減を図ります。
  5. 良品と関わる全ての人々とのコミュニケーションを充実させます。

「地球とともに生きる5原則」

無印良品を運営する良品計画は、以下のような良品ビジョン」を打ち出している。良品計画は、これらのビジョンについて、「良品には、あらかじめ用意された正解はない。しかし、自らが問いかければ、無限の可能性が見えてくる。」というコメントを行っている。この問いかけこそが、無印良品の世界をより深く豊かにし、そして固有の価値が高めれれていく源泉であると確信できる。

「良品ビジョン」

企業理念

  • 良品価値の探究
  • 成長の良循環
  • 最良のパートナーシップ

行動基準

  1. カスタマ−レスポンスの徹底
  2. 地球大の発想と行動
  3. 地域コミュニティーと共に栄える
  4. 誠実で、しかも正直であれ
  5. 全てにコミュニケーションを

店頭での声がけの徹底

マイバッグを買ったお客様や持参したお客さまに「袋がいらない場合はお申し付け下さい。」というメッセージと「ありがとうございます。」という気持が伝わる応対をするように心掛けられている。

店頭での声がけの徹底

自分の印がつけられる布製マイバッグ

レジ袋のかわりに気軽に使える生活に密着したB5, A4, A3の3つのサイズで50円/70円/100円と安価。自由に自分だけの印をつけることができる。売り場に40種類のスタンプが用意されている。

店頭での声がけの徹底

絵本「もしも、モノが話したら。」

人とモノとの関係に目を向け、「これでいい」という生活の在り方を問いかけるatelier GRIZOU による美しく楽しい絵本。表紙カバーは、バナナの紙を使用。

店頭での声がけの徹底
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