非連続的成長の源泉を明文化する。
プロジェクト発足時、創業から40年を迎えようとしていたシスメックスは、創業当時からは想像できなかったほどに大きく成長をしていました。その飛躍的な成長をし続ける源泉となる考え方を明文化し、共有しようという取り組みとして、理念策定プロジェクトはスタートしました。
プロジェクト発足時、創業から40年を迎えようとしていたシスメックスは、創業当時からは想像できなかったほどに大きく成長をしていました。その飛躍的な成長をし続ける源泉となる考え方を明文化し、共有しようという取り組みとして、理念策定プロジェクトはスタートしました。
新たな企業理念を策定するにあたり、とくに重要視したのは、グローバルな観点をもって議論を重ねるということです。私たちは、主要拠点のCEOから社員に至るまでインタビューを行い、その意見をプロジェクトメンバーで共有することを議論の土台にしました。
世界各国の幹部や社員と対話を重ねる中で、事業領域の考え方の差が浮き彫りになりました。日本では事業領域を多角化し、新たな可能性を模索していくという方向性が主流だったのですが、海外では領域を絞り、技術をより高度化していく方向性が支持されました。その背景には、海外の幹部には元ドクターが多いということも関係しました。対面する1人を救う医師ではなく、より多くの人を救う可能性を秘めた医療機器の開発に従事することを選ぶ。そういう医療への理解と強い志をもった人たちが、シスメックスの活動の原動力となっていることが感じられました。世界各国の社員と一緒にさまざまな議論を重ねた結果、シスメックスの企業理念を「Sysmex Way」としてまとめました。その根幹となるミッションは「ヘルスケアの進化をデザインする。」という言葉で明文化されました。
新しい企業理念であるSysmex Wayの策定に続き、これを表象化するコーポレートロゴをはじめ、新たなVIS(ビジュアル・アイデンティティ・システム)の開発に取りかかりました。デザイン開発は、アメリカを代表する世界最大手のブランディングファームである「LIPPINCOTT(リピンコット)」に協力を依頼しました。これには、当時、医療機器の最大市場はアメリカであるという背景があり、競合会社であるヨーロッパのシーメンスやロッシュなどに対抗するという意味合いも込められていました。
ロゴマークは、神戸の海と山、自然や生命の源といったものを表現しています。さらに無限の意味をもつメビウスの輪をモチーフにしたデザインには、永遠に進化していくという企業としての強い意志が込められています。医療機器メーカーとしての「先進性」と「責任感」、そこに多様性を受け入れる「融合」、さらに豊かな自然のイメージが醸し出す「安心」といった、さまざまなエレメントが見事に調和したコーポレートロゴがここに誕生しました。
シスメックスのブランディングプロジェクトは、多岐に渡り、現在も進行中です。シスメックスが誇る製品の品質を伝え、お客様の医療現場の空間のクオリティを高めるプロダクトデザインの一新から、新たな中長期経営計画が発表されるごとに、それを象徴するコーポレートメッセージとデザイン開発、コミュニケーション展開を実施しています。
自らのアイデンティティを固定化することなく、常に時代環境と新たな戦略にあわせて、しなやかに自らのアイデンティティを進化させていくシスメックス。ブランディングにおいても「ヘルスケアの進化をデザインする。」というミッションを体現し続けています。